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▼今週の注目記事  納税3735号1面より

国税庁が金融庁とタッグ
節税保険を一掃へ

 長年にわたり生命保険会社による新商品開発と国による規制のイタチごっこが続いてきた、いわゆる「節税保険」について、ついに国が省庁横断で抜本的な取り締まりに乗り出した。「節税保険は租税回避」との認識のもと、金融庁が管轄する保険の新商品の審査に国税庁を加え、不適切な節税スキームを含む商品が認可されないようあらかじめ照会できる仕組みを構築するという。さらに、すでに販売されている商品についても両庁合同で保険会社や代理店のモニタリングを実施して「不適切なもの」を洗い出す方針だ。中小企業の経営者にとって力強い味方となってきた生命保険が、大きな曲がり角を迎えつつある。

繰り返されてきた開発と規制の応酬

 金融庁はこのほど、節税効果をうたったいわゆる「節税保険」の不適切な販売があったとして、マニュライフ生命保険に対し保険業法に基づく業務改善命令を出した。問題視されたのは、かねてより金融庁のターゲットとなっている「名義変更プラン」と呼ばれる中小企業の経営者向けの保険商品だ。多額の死亡保険金を受け取れる契約を法人名義で締結し高額な保険料を支払うものだが、一定期間を経た後に経営者個人へ名義変更・譲渡したうえで解約すると、税負担の抑えられる一時所得として多額の返戻金を受け取れる仕組みとなっている。金融庁は、マニュライフ生命保険の節税効果を強調した募集活動や商品の開発について「公的保険を補完するという保険本来の趣旨から逸脱しており悪質」と指摘し是正を求めている。

 金融庁は近年、「行き過ぎた節税になっている」と問題視して節税保険の規制を強めているが、行政処分を下したのはマニュライフ生命保険が初めてで、生命保険業界にとっては2019年の「バレンタインショック」、昨年の「ホワイトデーショック」に続く3度目の衝撃として注目されている。19年は、それまで全額損金で処理されてきた一部の生命保険の規制に向け、新たな損金算入ルールが設けられた。金融庁や国税庁の動きが判明したのが2月14日だったため、バレンタインショックと呼ばれている。そして昨年3月には、中小企業経営者の節税手法として活用されてきた低解約返戻金型の逓増定期保険の取り扱いを見直す通達改正が明らかとなり、こちらはホワイトデーショックと呼ばれた。

 バレンタインショックにホワイトデーショックと節税保険を規制する抜本的な通達改正が実施されたにもかかわらず、生保会社による節税効果をうたった営業活動や商品開発が継続していることがマニュライフ生命保険の一件で浮き彫りとなった。長年にわたって続いている生保各社による節税商品開発と金融庁による取り締まりのイタチごっこ≠ノ業を煮やした国は、いよいよ抜本的な規制に乗り出した・・・

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