▼今週の注目記事  社長のミカタ 8月号1面より

マルサのターゲットは
消費税

 国税当局の査察部、通称「マルサ」の最新の調査実績が公表された。納税者の同意を得ながら進められる通常の任意調査とは異なり、国税犯則取締法に基づくマルサの調査は、令状を手に家宅捜索を行い、必要とあれば金庫を無理やり開けることもできる強制的なものだ。マルサのターゲットは、第一に消費税、次いで無申告と国際取引となっている。最新データを基にマルサの狙い所を探る。

無申告、国際取引も狙い所

 「税務調査」という場合、通常は国税通則法74条の2に規定された「質問検査権」の行使を指すことが多い。同条によって調査官は納税者に質問し、帳簿書類の提出を求め、検査することが可能となっている。

 だが故意に不正な手段を用いて巨額の税を免れる行為に対しては、税額の誤りをただすだけでなく、刑事上の責任を追及して刑罰を科すことも求められる。通常の調査では実態究明が難しいので、より強制的な権限で調査を行い、告発にこぎ着ける。これが国税当局の査察部、通称「マルサ」の役割だ。

 このほど発表された最新のデータによれば、2021年度にマルサが検察庁に告発した件数は75件、脱税総額(告発分)は61億円だった。告発された1件当たりの脱税額は8100万円に上る。新型コロナ感染拡大の影響により、告発件数、脱税総額ともに減少しているものの、告発率は72.8%と高水準を保っている。ひとたびマルサに調査に入られたら、7割の確率で告発され、脱税の罪で裁かれるということだ(表1・表2)。

 さらに21年度は告発された脱税事案117件に一審判決が下され、その全てが有罪判決だった。有罪率は100%ということだ。最も重い実刑判決は、査察事件単独に関わるもので懲役2年、他の犯罪と併合された事案では懲役9年のものもあった。

 国税庁が査察調査の実績をまとめた「査察の概要」では、その年にマルサが重点的に調査を行ったトピックを掲げているが、21年度に最重要ターゲットとして狙われたのが、消費税だ。

 当局は「消費税に対する国民の関心が極めて高い」として、消費税調査に積極的に取り組み、21件を告発したとしている。そのなかでも、仕入税額控除制度を悪用した不正な還付金受給は「国庫金の詐取」であるとして厳しく追及し、9件を告発した。

 ある不正還付事案では、全国の百貨店催事場などを巡回しペット用動物関連のイベントを企画・開催する事業を行っている会社が、架空の課税仕入を装う方法で控除対象仕入税額を過大に計上し、不正に消費税の還付を受けたとして告発された。このケースでは、実際に還付を受け取っていなくても、税務署が還付を保留していた消費税額もあったため、その分についても未遂犯として告発されている・・・

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