▼今週の注目記事  社長のミカタ 4月号1面より

4月からスタート
相続不動産の登記義務化

 4月から、相続不動産を3年以内に登記することが義務化される。怠れば過料に処されるというルールなので、「どうせ、たいした罰則ではないだろう」などと、軽く考えない方がいい。相続の際に遺族が登記手続きをせず、登記簿を見ても誰が持ち主なのか確認できない「所有者不明土地」が増えているため、2021年4月に不動産登記法と民法が改正され、相続手続きをしていない不動産は漏れなく登記義務化の対象となった。改正法では施行日を3年後に設定。つまり、この4月からスタートとなる。保有する不動産の洗い出し、相続人の特定、遺産分割協議、必要書類の入手などなど、やることは山ほどある。

施行前に相続した物件も対象

 所有者不明土地の総面積は2016年時点で九州本島を上回る410万ヘクタールとなっている。今後もこうした土地が放置され続けると、2040年には北海道本島の面積に迫る720万ヘクタールに達し、約6兆円の経済的損失をもたらす可能性があると、有識者でつくる研究会では試算(グラフ)。政府も再開発事業や災害復興などの妨げになっていると問題視している。

 国の調査では、登記されている土地の約20.1%が所有者不明で、そのうちの約66%はすでに亡くなった人の名義になっているという。登記簿上は亡くなった親が所有者のままで、実際は子どもらが管理しているというケースだ。さらに残りの約34%は転居先への住所変更手続きがなされていないという。

 相続登記とは、相続により不動産を取得した場合にその名義を相続人に変更することをいう。一見当たり前のことのようだが、現状では相続で譲り受けた不動産を登記するかどうかは任意で、相続人の判断に委ねられている。そのため相続人が固定資産税などの税負担を避けたり、土地管理の煩わしさから放置したりするケースが多く生じている。

 だが、相続不動産をそのままにしておくと、@不動産の売却や担保設定ができない、A権利関係が複雑化する、B不動産が占有されてしまう可能性がある、C認知症発症で遺産分割協議ができない、D必要書類の入手が困難、E修復もままならず不動産が荒廃ーーといったリスクが生じる(2面【別掲】)。

 国は20年に土地基本法を改正し土地所有者の責務を明確化した。21年には不動産登記法と民法を改正。これらの法改正によって「相続登記は義務ではないので、このままにしておこう」という理屈が通用しなくなった。相続の発生を知ってから3年以内に所有権移転登記をしないと、10万円以下の過料となる。義務化のルールは4月からスタートするが、施行前に相続した不動産でも登記義務の対象となるので注意が必要だ。加えて、住所変更登記も26年までに義務化される予定となっている・・・

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