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▼今週の注目記事  納税3707号1面

マイナンバー
ついに無制限の利用範囲拡大へ

23年の国会に法案提出

 昨年12月24日、岸田内閣は「デジタル社会の実現に向けた重点計画」とする文書を閣議決定した。「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を」とスローガンに掲げ、行政や経済政策など幅広い分野での電子化を推し進めていくロードマップをまとめたもので、そのなかで国民に対する行政サービスのデジタル化の骨子として、マイナンバー制度の推進が挙げられた。

 同計画では「個人のID・認証基盤であるマイナンバー制度をデジタル社会における社会基盤として利用する」と明記し、マイナンバーおよびマイナンバーカードが「公平・公正な社会を実現する」ためのカギ≠ノなると強調した。計画全体でもマイナンバーという単語は182カ所にわたって登場し、同制度を日本国家のデジタル化の軸にするという国の意気込みが表れている。

 そしてデジタル社会化のために盛り込まれたのが、関連法の改正による、マイナンバーの利用範囲拡大だ。現在のマイナンバーの取り扱いを定めた「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)」9条では、利用範囲を社会保障制度、税制および災害対策に関する分野に絞り、厳格にマイナンバーが使える事務を限定列挙している。

 今回の重点計画では、この税・社会保障・災害対策の3分野を改め、マイナンバーの利活用の推進に向けた制度面の見直しを実施するとした。具体的には、「国民の理解が得られたものについて、令和5年(2023年)にマイナンバー法改正を含む必要な法案提出」をするという。約140ページにわたる計画書の文中でさらりと書かれているものの、マイナンバー制度が始まって以来の大きな転換点となり得る見直しだ。

 そもそもマイナンバー制度は、2009年に自民、民主などの各党がマニフェストに掲げてから、スタートまでに7年がかかっている。当時の各政党や政府は番号制度のメリットとして、行政の省コスト化、様々な手続きの簡便化などを挙げたが、それに対して個人を「背番号」で管理することへの反発、将来の管理社会化への不安、そして個人情報管理に対する不信など、多くの反対意見があった。実際に情報管理体制への不安は制度スタート後の多くの漏えい事案によって的中してしまったわけだが、そうした反対意見に対して国が打ち出したのが、税・社会保障・災害対策の3分野にマイナンバーの利用を限定するという案だ。全国民に付番した「背番号」を国家が自由にできないという制約を法で設けることによって、最低限の理解を得てスタートしたのがマイナンバー制度ということになる。それを、今回の重点計画で拡大するというわけだ・・・

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