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▼今週の注目記事  納税3894号1面より

自公連立崩壊…
放置されてきた 政治とカネ

 野党時代を含めて26年間続いた自民、公明両党の協力関係に終止符が打たれた。その要因として公明党側が挙げたのが、「政治とカネ」問題に対する自民党の対応への不満だ。公明党の真意がどうであれ、過去30年間の大部分にわたり政権与党だった自民党が、政治とカネの問題をなおざりにしてきたのは、まぎれもない事実だろう。「右手に献金、左手に助成金」を問い直す時が、いよいよ来ている。

30年続く「右手に献金、左手に助成金」

 公明党の斉藤鉄夫代表は10月10日の記者会見で、「自公連立政権についてはいったん白紙とし、これまでの関係に区切りをつけたい」と述べた。先立つ党首会談で、公明党が最も重視した「政治とカネ」に関する基本姿勢について意見の相違があったことを理由に挙げた。派閥裏金事件の真相解明や、企業・団体献金の規制強化といった問題について、自民党の対応が不十分だと判断したという。

 もっとも、公明党が長年続いてきた協力関係を一方的に打ち切った真意がどこにあるかは、分からない。仮に、言葉通りの理由であったとしても、数日前に就任したばかりの高市早苗新総裁からしてみれば、「せめてもう少し時間がほしい」と考えるのも、やむを得ない話だろう。

 だが、その高市氏ですら、自身が所属する自民党が30年にわたって「政治とカネ」問題を放置してきた事実から目を背けることはできない。自民党と公明党の協力関係は26年間におよぶが、それは自民党が「右手に献金、左手に助成金」という両手にカネ状態を続けてきた期間とほぼ重なるためだ。

 振り返れば、リクルート事件(1988年)、共和汚職事件(91年)、東京佐川急便事件(92年)、ゼネコン汚職事件(93年)と、昭和末期から平成初期にかけて発覚した多数の汚職事件に国民の政治不信は頂点に達した。93年8月の総選挙で「55年体制」といわれた状況が変わり、自民党が政権から引きずり降ろされ、反自民非共産を掲げた細川連立政権が誕生。細川内閣は「政界の浄化」を標榜し、企業・団体献金の禁止を宣言。いわゆる「平成の政治改革」と呼ばれる政治改革4法を成立させた・・・(この先は紙面で…)

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