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要件緩和が普及のカギに
平成16事務年度の法人税課税事績
黒字割合は31.5%に
今年6月までの1年間に申告期限が到来した法人の黒字割合が31・5%に上っていたことが、国税庁のまとめた「平成16事務年度の法人税課税事績」で分かった。前年に比べ0・7ポイント増えており、2年連続でプラスとなった。一方、国税局調査課所管法人での黒字割合は50%を超えており、大企業と中小企業との間で収益回復に格差があることが今回のまとめで浮き彫りになった。
平成16事務年度(平成16年7月〜17年6月)の法人所得金額の総額は43兆1736億円(前年比11%増)、申告税額は11兆1230億円(同11・8%増)だった。
税務署などが昨年度実地調査をした12万4千件の7割を超える9万1千件(同5・9%増)でなんらかの非違があった。それを、申告もれ額に直すと1兆4914億円(同11・5%増)、追徴税額では3601億円(同12・5%増)に上った。仮装・隠ぺいなどのいわゆる悪質なケースは2万4千件で、昨年度に比べ1千件も増えている。不正割合発見は19・7%に達した。不正割合の高い業種は、バー・クラブ、パチンコ、廃棄物処理など。一方、不正申告1件当たりの高額脱漏所得では、鉄鋼製造、パチンコ、木造建築工事などの業種で目立った。
また、昨事務年度の源泉所得税額は14兆104億円(同8・1%増)で4年ぶりに増加に転じた。内訳は給与所得9兆9833億円(同5・7%増)、配当所得1兆2889億円(同23・5%増)、報酬料金等所得1兆1625億円(同11・2%増)など。4年ぶりの増加について国税庁では、「配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止による影響と景気回復によるもの」と分析している。この源泉徴収でなんらかの非違が見つかったのは4万7千件(同4・8%増)。
公益法人では1320件で法人税調査を実施し、このうち約900件でなんらかの非違があった。申告もれ所得金額は186億円。
大法人などを担当する、いわゆる調査課所管法人での申告件数は3万7234件、黒字申告割合は52・3%と前年度2・3ポイントの増加。調査は4413社で行われ、このなかに占める不正割合は15・4%だった。
〔制作・著作 (株)エヌピー通信社〕
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