サブリースが抱える問題点  一括借り上げは家賃保証ではない

 30年の一括借り上げで、老後の暮らしも相続税も安心。こうした売り文句に釣られて遊休地に賃貸アパートを建てたはずが、最終的に入居者が集まらずに土地や建物、さらには自宅まで失うというトラブルが後を絶たない。
 サブリースを行っている不動産会社は、土地持ちのオーナーから土地や建物などをサブリース契約で借り上げ、アパートの運営や管理のすべてを引き受ける。実際の入居者の入居率でなく、サブリース会社が一括して借り上げてくれるという安心感や、相続税負担を抑える税金対策としても全国的に広まった。
 ただ気を付けなければならないのは、家賃は30年間ずっと一定の金額が支払われるわけではないということ。サブリース契約書には大抵「入居状況、近隣家賃相場、経済状況と地域需要に応じて、随時に変動増減する」といった旨の条項が書かれている。
 うまく入居者が入っているときは家賃も順調に振り込まれてくるだろう。しかし、いったん空室が出れば、サブリース会社は契約内容の変更を強硬に迫ってくる。全国で頻発するサブリースのトラブルを受け、家賃減額などについて前もって説明しておくことを義務付けるサブリース法が成立したのは2020年のことだが、その後もサブリースをめぐるトラブルは発生し続けている。


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