相続した建物にかけられる相続税は、建物ごとに自治体が算定した「固定資産税評価額」を基に計算する。評価額は自治体が発行する納税通知書や評価証明書に記されているので、役所が計算方法を間違えていない限り、通常はその金額を他の相続財産の評価額と合算すればよいということになる。
だが、固定資産税評価額は法務局に登録された登記情報などを基に自治体が算定するものであり、登記前の建物、すなわち建築が終わっていない建物には価格が付けられていない。そのため建築中の建物の相続では別の計算法を用いることになる。
建築途中の家屋の評価額は、その建物の建築開始から相続発生までの期間に掛かった建築費用を7割にした金額だ。そして相続発生時までの建築費用は、建築費用全額に工事の進捗率を掛けて算出する。なお工事の進捗率には業者の証明が必要なため、素人がなんとなくで判定するのは当然ご法度だ。
ちなみに相続した不動産が貸し出し用の不動産なら、通常は借り手が持つ借家権に相当する金額を相続税の計算の際に控除できるが、その不動産が建築途中の場合は借家権割合を控除できない。