昨年は事業が好調だったが今年に入って業績が急落し、上半期の時点で多額の赤字が出るほどだったとする。こうした場合に気を付けたいのが、法人税の中間申告だ。事業年度の開始から約半年後に、前年の納税額に基づき中間申告をするのだが、その際に前年度の法人税額の2分の1に当たる法人税を納めることを求められてしまうためだ。昨年に儲けた分を内部留保として手元に置いていればいいが、赤字の状況で支出がかさんで納税資金が足りないというケースもあるだろう。
このように中間申告の納税資金が手元にない場合は、書類の通りに前年度の法人税額の半額を申告額とせず、今期の決算をその時点で仮に行い、それに基づいた税額を納めることも可能だ。その結果、仮決算が赤字なら納税額はゼロとなるので覚えておきたい。
ただ仮決算による中間申告をすれば資金繰りは円滑になるが、手間は増えることになる。仮と言っても確定申告と同じように決算をして、確定申告書を作成しなければならないからだ。手間や余裕資金を踏まえて自社に有利な方法を選ぶようにしたい。