総務省によると、個人が居住地の自治体に納める住民税の税収は全国で約14兆円に上り、地方税の約3割を占める。法人住民税が約2.5兆円であることをみても、個人住民税は地方自治体にとって大きな財源となっている。取りこぼしのないよう担当部署は常に目を光らせているということだ。
課税対象は1月1日時点での住民であるため、たとえ1月2日に死亡して、以降は自治体からの一切のサービスを受けられなくても、その年の税金はかかる。仮に12月31日に熊本市に住んでいたが、1月1日に横浜市に居を移し、1日だけ暮らして、翌日以降は札幌市に移ったときは、その年の住民税は1日だけ過ごした横浜市ということになる。
そして住民が年度の途中に死亡したときには、相続人が納税義務を受け継ぎ、納付することが求められる。なお、死亡した当日はカウントされないので、1月2日の死亡から対象となる。
もちろん、相続放棄をすれば相続人に納税義務が引き継がれることはない。手続きとしては、相続放棄をした人は家庭裁判所が発行する「相続放棄申述受理通知書」の写しを市区町村に提出することで納税しないで済む。
こうした手続きを取らないと住民税を滞納したと取り扱われ、ペナルティーとして延滞金の対象にもなるので注意したい。