寺社が本堂や庫裏などの改修工事を行う際には、檀家から工事費用の寄付を募ることがある。檀家としても、ご先祖が眠る寺社を粗末にするわけにもいかず、無下に断るのは気が引ける。もちろん生活に支障が出るほどの金額は出すべきではないが、あまりに少額ではみっともないと感じる人もいるだろう。喜んでするわけではなくても、世の習いとして断りにくい出費はせめて寄付金控除として申告したい。
この寄付が控除の対象になるかどうかのポイントは、その寺社が宗教法人として登記しているかどうかによる。登記することで公益法人として扱われ、その寄付が広く一般に募集され、教育や科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献など、「公益の増進」に寄与するための支出であると財務大臣が認めれば、寄付金控除の対象となる。宗教施設とはいえ、すべての寄付が控除対象ではないので覚えておきたい。