スマホ申告4年で200倍超に  コロナ禍で電子化が急拡大

 コロナ禍で確定申告をする人が密を避けようとした結果、電子申告が急激に普及拡大していることが明らかになった。コロナ前の2019年からの推移をみると自宅から電子申告をした人は5倍超に増え、スマホ申告は申告環境が整ったこともあって4年で200倍超に増加している。
 5月31日に国税庁が公表した22年分の所得税・贈与税等の確定申告の状況によれば、確定申告をしたのは2295万人で前年から0.4%微増した。ただし納税が発生した人数は0.5%減り、納税額も3兆6801億円で2.9%のマイナスとなっている。
 特筆すべきは、e-Taxを利用する人の増加だ。国税庁によれば、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーや会計ソフトなどで自宅から申告をした人は592万人で、前年から約1.3倍、コロナ禍前の18年からは約5倍に増加している。かつては税務署などの会場まで行って職員のサポートを受けながら申告をする人の方が多かったが、昨年に両者の割合は逆転し、1年でその差は約2倍にまで拡大した。
 さらにパソコンではなくスマートフォンから申告をする人の増加も著しい。22年分にスマホ申告をしたのは249万人で、前年比1.6倍、4年前に比べると200倍以上に増えている。スマホ申告を巡る納税環境は年々向上しており、それに併せてコロナ禍で自宅から申告したいと考える人が増えたことが背景にあるとみられる。
 スマホ申告の普及の一因となっているのが、マイナンバー制度だ。最大2万円分のポイントを還元するマイナポイントキャンペーンもあり、マイナンバーカードの普及率は急増した。そのマイナンバーカードを使って確定申告をした人は387万人に上り、前年から1.8倍増と伸びた。マイナンバーカードとスマホを組み合わせて申告した人は179万人で、こちらは前年比2倍、4年前に比べると約30倍に激増している。また各種控除証明書をマイナポータル経由で取得した人も増え、こちらは132万人と前年比4倍に伸びている。


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